麻疹(はしか)が流行?ワクチンで防げる?

先日大阪市内で麻疹(はしか)の発生が報道され、当院にも多数問い合わせを頂いております。
麻疹(はしか)の症状や治療法、ワクチン接種について解説します。

そもそも麻疹ってどんな病気?


麻疹は麻疹ウイルスによる感染症で、感染経路は「空気感染」、「飛沫感染」、「接触感染」があります。
特に空気感染が厄介です。コロナ感染症でも話題になりましたね。
感染者が咳やくしゃみをすると、ウイルスがしばらく空気中を浮遊します。周囲の人がウイルスを含んだ空気を吸い込んだり、ウイルスが粘膜に付着することで感染します。麻疹の感染力はきわめて強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%が発症すると言われています。感染症分類では5類に分類され、診断後は届け出が必要な感染症です。

感染から発症

ウイルスに感染してもすぐには発症しません。10日ほどの潜伏期間があります。
潜伏期間の後に咳・鼻水・結膜炎・発熱などのいわゆる「風邪症状」が始まります。「カタル期」と呼ばれています。
この段階で「麻疹」と普通の「風邪」を見分けることは、ほぼ不可能です。
口の中にkoplik斑(コプリック斑)と呼ばれる白いぶつぶつができることもあり、麻疹に特徴的とされています。ただ他の感染症でもkoplik斑が出ることもあるため注意が必要です。

風邪症状の後に、耳の後ろ~首・額(おでこ)から発疹が出現します。
その後数日かけて顔面~胸やお腹・腕へ皮疹が広がっていくのが特徴です。
発疹期には風邪症状はより強くなり、40℃近くの発熱が続きます。
回復期になると解熱し、風邪症状もおちついてきます。発疹も引いてきますがしばらく色素沈着が起こります。

重症化や合併症

肺炎や脳炎を合併することがあり、死亡率が上昇します。
麻疹自体の死亡率は全体で約0.1%と報告されており、「風邪」と比較して重症化率が高いことがわかります。

治療法

麻疹に効く治療薬は残念ながらありません。基本的には症状に合わせてお薬を使用する「対症療法」となります。

 

ワクチンで防げる感染症


強い症状や普通の風邪より高い死亡率、特別な治療法がないといったことから怖い感染と感じた方も多いかと思います。しかし過度に心配する必要はありません。
なぜなら「ワクチンで防げる」感染症だからです。

現在麻疹ワクチンは小児の定期接種に含まれており、全員が接種対象となっています。

1期:生後12ヶ月~24か月
2期:小学校就学前1年間(5歳~7歳未満)

上記期間の接種に関しては定期接種のため「無料」で接種が可能です。

では現時点で成人の方はどうでしょうか。
実は世代によって接種していない可能性や、1回しか接種していない可能性があります。

1972年9月30日以前生まれ 1回も接種していない可能性が高い。
1972年10月1日~1990年4月1日生まれ 定期接種1回の世代。免疫が十分ではない可能性あり、追加接種が推奨される世代。
1990年4月2日~2000年4月1日生まれ 特例措置世代。2回目接種を受けていない場合は追加接種を推奨。
2000年4月2日~生まれ 定期接種として2回接種を受けている世代。

1972年以降に生まれた成人は、少なくとも1回は麻疹ワクチンを接種している「はず」です。
1972年9月30日以前生まれの場合や、ご家庭の事情で接種を受けられなかった場合には対策が必要となります。

麻疹ワクチンについて

麻疹ワクチンは「生ワクチン」になります。
当院では風疹ワクチンと一体化された「MRワクチン」を使用します。

 

結局麻疹の対策はどうすればいいの?


ワクチン接種の有無や感染歴で対策が異なります。

①ワクチン接種の有無
ー打ったことがないor不明の場合
MRワクチン接種(自費)、もしくは抗体測定(自費)を行い抗体が陰性であればMRワクチン接種(自費)

ー接種回数が1回の場合
可能であれば追加接種(自費)を行う。まずは抗体測定でもOK(自費)。抗体が陽性であれば追加接種の必要なし。

ー2回接種済み
特別な対応の必要はない。(抗体検査の必要もない)

※ワクチンを打ったかどうかどうやって確認するの?
→小児の定期接種の記録は母子手帳を確認してください。母子手帳がなく接種記録が不明の場合は「①ワクチン接種の有無ー不明」を参照下さい。

②感染歴
ー確実に麻疹に感染したことがある。
対策の必要なし、心配があれば抗体測定(自費)を行う。
ー感染の記憶があいまい
「①ワクチン接種の有無」へ

 

麻疹ワクチン(MRワクチン)接種のQ&A


Q:過去に麻疹にかかっている場合はどうすればいいですか?
感染が確実であればワクチン接種の必要はありません。感染の有無が不確実の場合はや心配な場合は抗体測定を検討下さい。ただし抗体測定は自費となります。

Q:何回うければいいの?接種の間隔は?
できれば合計で2回になるように接種するのが好ましいでしょう。
1回接種でも効果は期待できるので費用と併せて検討してください。
成人の2回接種の間隔のルールは定められていません。生ワクチンなので27日以上空ければ2回目接種が可能です。

Q:ワクチン接種してどれくらいで抗体ができますか?
ワクチン接種により95%の人は免疫を獲得します。
接種後2週間ほどで抗体が出現し、一度抗体ができると一生免疫が持続します。

Q:今妊娠しているのですがどうすればいいですか?
妊婦のワクチン接種はできません。
ワクチン接種、感染歴が分からず不安な場合は抗体測定(自費)を検討下さい。

Q:妊活中ですがワクチン接種できますか?
接種後2ヶ月は避妊してください。

Q:妊婦ですが、夫にワクチンを打たせた方がいいですか?
まずは母子手帳で接種記録を確認ください。そのうえで上記対策を参考にしてください。

Q:夫にワクチンを打たせた場合避妊は必要ですか?性交渉も避けた方がいいですか?
男性側が接種した場合に避妊の必要はありません。
性交渉も制限する必要はありません。

Q:麻疹の抗体測定・ワクチン接種に補助金はでますか?
残念ながら自治体の補助金はなく全額自己負担となります。
「風疹」に関しては抗体測定・ワクチン接種の自治体補助があります。
風疹抗体が陰性であれば「MRワクチン」を自治体の補助金ありで接種可能です。

Q:やまおか内科クリニックでは抗体検査・ワクチン接種はできますか?
抗体検査・ワクチン接種(MRワクチン)共に可能です。
ワクチン入荷にお時間を頂くため接種希望の1週間前までにご予約下さい。
ワクチン予約後のキャンセルはできませんのでご了承ください。
<費用>
麻疹抗体検査:3,500円(税込み)
MRワクチン:11,000円(税込み)

参考リンク)
厚生労働省ホームページ
大阪市「はしかに注意しましょう」

この記事を書いた人
やまおか内科クリニック
院長:山岡 祥
日本内科学会認定内科医
日本糖尿病協会 登録医
日本消化器病学会 専門医
日本消化器内視鏡学会 専門医

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