人工甘味料は夢の調味料?
「美味しいのにカロリーゼロ」
人工甘味料のおかげでこのような食品が多くの食品会社から販売されています。ダイエット中や健康志向の方中には、人工甘味料入りの食事や飲料を意識的に接種している方もおられるでしょう。そんな人工甘味料ですが、メリットばかりではないかもしれません。
食事や飲料に含まれる糖質は、過剰摂取すると肥満や心臓病、糖尿病の原因となります。
糖質からの摂取カロリーをできるだけ少なくなるため、食品会社各社は人工甘味料(アステルパーム、アスパラギン酸、スクラロース等)を使った食事・飲料を多数販売しています。
例えばコカ・コーラの場合
100mlあたり炭水化物(糖質)は11.3g含まれ、500mlでは225kcalになります。
一方コカ・コーラゼロでは
100mlあたり炭水化物(糖質)は0gで、500ml飲んでも1.5kcalです。
(イメージ)
味も良くてカロリーもこれだけ少ない(ほぼゼロ)ので、一見するとダイエットや健康には最適の飲料かと思われるでしょう。低カロリーだけみると魅力的ですが、実は人工甘味料と、一部のがんや心臓血管病との関連があると複数報告されています。
人工甘味料は2型糖尿病発症リスクに
そんな中、フランスの論文で「人工甘味料を過剰に摂取すると2型糖尿病発症リスクが上昇する可能性がある」と報告されました。
(Artificial Sweeteners and Risk of Type 2 Diabetes in the Prospective NutriNet-Santé Cohort, Diabetes Care. 2023 Jul 25)
<目的>
大規模前向きコホート研究において、人工甘味料と2型糖尿病(T2D)リスクとの関係を、すべての食事源(総量および人工甘味料の種類別)を考慮して研究すること。
<研究方法>
・フランス、2009~2022年
・参加者105,588人
・平均年齢42.5±14.6歳、女性79.2%。
食品データベースを用いて、摂取した食事全てに含まれる人工甘味料(総量、アスパルテーム、アセスルファムカリウム[K]、スクラロース)を算出し2型糖尿病発症との関連を追跡調査した。
<結果>
9.1年(中央値)の追跡期間中、972人が2型糖尿病を発症
非摂取者と比較して、人工甘味料の高摂取者(男性16.4mg/日以上、女性18.5mg/日以上)では2型糖尿病発症リスクが高かった
(ハザード比[HR]1.69;95%CI 1.45-1.97;P<0.001)。
個々の人工甘味料では、
アスパルテーム(HR 1.63[95%CI、1.38-1.93]、P<0.001)
アセスルファム-K(HR 1.70[1.42-2.04]、P<0.001)
スクラロース(HR 1.34[1.07-1.69]、P=0.013)
(※ハザード比(HR)とはリスクが何倍になるかを表します。)
<結論>
人工甘味料の摂取と2型糖尿病発症リスクの増加との間に正の相関が認められた。
これらの添加物が安全な砂糖の代替品ではない可能性があるという証拠を強化するものである。
まとめ・人工甘味料はほどほどに
人工甘味料を多く摂取することで2型糖尿病発症リスクが約1.7倍になるという報告でした。
ダイエット飲料にどの程度人工甘味料が含まれているかは不明ですが、健康やダイエット目的に人工甘味料を含む食事・飲料を過剰に摂取することはお勧めできません。
飲料であればお茶・水・炭酸水などをベースに、たまの息抜きにダイエット飲料を利用するくらいがいいかもしれませんね。