モデルナ社製ワクチンについて

厚生労働省は5月21日にモデルナ社製ワクチンとアストラゼネカ社製ワクチンを承認しました(薬機法第14条の3)。東京都や大阪府で始まる大規模接種会場や、職域接種で使用される予定です。ここではモデルナ社製ワクチンについて解説します。

モデルナ社製ワクチンの仕組み

モデルナ社製ワクチンはファイザー社製と同じmRNAワクチンです。
新型コロナウイルスの表面にある「スパイクタンパク」の設計図であるmRNAを利用したものです。(詳しくは新型コロナワクチンについてを参照下さい)

人工的に製造されたmRNAを接種することで、新型コロナウイルスに対する免疫を獲得します。

接種方法

三角筋(上腕の筋肉)に1回0.5mlを筋肉注射で接種します。1回目の接種後、4週間後に2回目の接種を受けます。

有効性と安全性

アメリカで行われた臨床試験1)では、99の施設で、合計約3万人を対象に、ワクチンの効果が検証されました。
3万人を無作為(ランダム)に、ワクチン群と偽薬群(プラセボ)に振り分け、発症予防効果について調べられました。

偽薬(プラセボ)群では1000人中79.7人で新型コロナ感染を認めたのに対し、ワクチン群では1000人中3.3人で新型コロナ感染を認めました。
ワクチン接種による有効性は94.1%と報告されています。

また有害事象としては、ワクチン接種群で注射部位の局所での反応が多くみられました。
反応の特徴は、紅斑、硬結、圧痛などで4~5日で消失しています。死亡例はワクチン群で2名、偽薬群で3名であり、差はありませんでした。またその他の重篤な有害事象の頻度も差がなかったと報告されています。

以上から、モデルナ社製ワクチンはファイザー社製と同様に非常に高い有効性と、安全性を有することがわかります。

変異株に対する効果について

実験室での研究ですが、報告があります。
ワクチン接種者の血清中和抗体を調べた研究2)では、イギリス型では中和活性が低下しないものの、南アフリカ型やブラジル型では数分の1に低下する可能性が示唆されています。しかしこれは実験室での中和活性についてなので、人体での発症予防効果に関しては今後さらなる検討が必要になります。

査読前の論文にはなりますが、ファイザー社・モデルナ社製のワクチンがインド株にも効果があると発表されています。Tada Tらの研究3)で、「(略)現行のワクチンはB.1.617およびB.1.618の変異体(いわゆるインド株)に対する防御力を維持できると考えられる。」と報告しています。

最後に

新しく接種が始まるモデルナ社製ワクチンも、ファイザー社製同様に有効性の高いワクチンであることがうかがえます。
大阪では6月中旬から大規模接種が開始され、モデルナ社製ワクチンが使用される予定です。(各地域の自治体ホームページを確認下さい)

筆者は3月に医療従事者としてファイザー社製ワクチンを2回接種しておりますが、副反応は注射部位の痛みのみでした。是非皆様も積極的に接種頂き、早く平穏な日常を取り戻せればと思います。

(参考文献)
1)Efficacy and Safety of the mRNA-1273 SARS-CoV-2 Vaccine , NEJM
2)Serum Neutralizing Activity Elicited by mRNA-1273 Vaccine , NEJM
3)The Spike Proteins of SARS-CoV-2 B.1.617 and B.1.618 Variants Identified in India Provide Partial Resistance to Vaccine-elicited and Therapeutic Monoclonal Antibodies, bioRxiv 2021

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