当院では自宅通院が困難な患者様に向けた在宅医療(訪問診療)に取り組んでおり、がんの末期や老衰によりご自宅でお看取りを希望される場合は、最期までご自宅で過ごしていただけるようサポートいたします。ご自宅でのお看取りや、ご逝去後の流れについて説明いたします。
お看取りに向けて 人生会議を行いましょう
人は誰でも歳を重ね死を迎えます。また人は誰でも突然の病気やケガにより命に関わる状態になる可能性があります。いずれ訪れる「死」や万が一の状態に備えて、治療やケアに関する考えや希望を、大切な人と話あっておくことが大切です。
どこまでの治療を望むのか、最期の時間をどこで過ごすのかを事前に話し合っておくことで、本人や家族の望まない経過になることを防ぎ、本人の意志を尊重することが可能になります。
亡くなる直前の兆候について
病状や老衰が進行すると食欲がなくなり、食事量が低下しています。また眠っている時間も長くなってきます。
更に病状が進行すると以下のような兆候がみられます。
・意識が朦朧とし、つじつまの合わないことを言う
・呼びかけても目を開けなくなる。
・呼吸が不規則になったり、無呼吸や大きな呼吸が出現する
・尿がでなくなる
・便失禁がある
・手足が冷たくなり、脈が触れにくくなる
その後呼吸が止まり、心臓の拍動も停止します。光に対する瞳孔の反応も無くなり、ご臨終となります。
この兆候を死三兆候と言います。
呼吸停止したら
あわてずに訪問看護ステーションにご連絡下さい。訪問看護ステーションから当院に連絡頂き、医師が訪問いたします。医師が訪問して死亡を確認し、その場で死亡診断書を発行いたします。
その後訪問看護によるエンゼルケア*を受けて頂くことも可能です。(エンゼルケア:お別れに向けて故人の身だしなみを整えることです。保清や更衣、洗髪や髭剃りを行います。※内容は訪問看護ステーションにより異なりますのでご留意ください。医療介護保険は適応外です。自費で1~2万円程度が多いです。)
その後お近くの葬儀屋に連絡してください(24時間連絡可能なケースがほとんどです)。亡くなる前に余裕を持って葬儀屋を決めて頂き、事前に相談して頂くとスムーズです。
葬儀屋の担当者からの指示に沿って葬儀に向けての準備を進めてください。
死亡届を記入頂き、死亡診断書と併せて葬儀屋から役所に提出してもらいます。
死亡診断書はコピーを取っておきましょう。故人の生命保険や銀行口座、遺族年金などの手続きで「死亡の事実が確認できる書類」の提出が求められるため、死亡診断書は複数枚コピーを取っておくと便利です。
生活保護を受給されていた場合
葬祭扶助制度の活用が可能な場合があります。故人の担当ケースワーカーもしくは福祉課に連絡をお願いします。葬祭扶助制度を利用する場合はお通夜や葬儀式のない「直葬」という葬儀になります。土日や祝日、夜間の場合は役所の開庁する日まで自宅でご遺体を安置する必要があります。
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