この度は、当院での大腸内視鏡検査をご予約いただきありがとうございます。
大腸カメラは、大腸がんやポリープ、炎症などを発見するための非常に有効な検査です。しかし、「大腸内がきれいに空っぽになっていること」が、正確な診断の絶対条件となります。もし便が残っていると、小さな病変を見逃してしまったり、検査自体が中止となり後日やり直しになってしまう可能性があります。
検査前の準備(食事制限と下剤の服用)は、患者様にとって大変なご負担かと思いますが、安全で質の高い検査を行うために、ご理解とご協力をお願いいたします。
🚨 準備を始める前に必ずご確認ください
以下に該当する方は、必ず検査予約時、または事前に医師へご相談ください。自己判断で薬を中断しないでください。
◎血液をサラサラにするお薬(抗凝固剤・抗血小板剤) を服用中の方
(バイアスピリン、プラビックス、ワーファリン、イグザレルト、リクシアナなど)
◎糖尿病のお薬 を服用中、または インスリン注射 を使用中の方
(検査当日の低血糖を防ぐため、休薬・減量の指示が必要です。)
◎ひどい便秘症 の方
(数日間排便がない状態では、通常の下剤量では効かない場合があります。事前の調整が必要です。)
◎過去に下剤を飲んで具合が悪くなったことがある 方
◎腹部の手術歴 がある方
◎現在、妊娠中 またはその可能性がある方

🗓️ 検査に向けたスケジュール
準備は検査の数日前から始まっています。
- 検査前々日:寝る前に下剤の服用(センノシド2錠)
- 検査前日:消化にいい食事を。寝る前(21時頃)に下剤の服用(センノシド2錠+マグコロールP)
- 検査当日の朝: 絶食、洗腸剤(サルプレップ)の服用、便の状態確認
-
来院: 指定された時間にご来院ください

【ステップ1】検査前々日 ~便秘の解消~
前々日
寝る前にセンノシド2錠を内服してください。便秘を解消します。
【ステップ2】検査前日 ~食事の調整~
検査をスムーズに行うため、数日前から繊維質の多い食品、種のある果物、消化の悪いものを避けてください。
前日の食事は以下の「食べて良いもの」を中心に、軽く済ませてください。
「食事を考えるのが面倒!」と感じる方は検査食をご活用ください(税込み1200円です。腹持ちもよく美味しいです♪)。具・海苔なしの塩おむすびもしくは具なしの素うどんも簡単でおすすめです。

✅ 食べて良いもの(消化が良く、繊維が少ない)◎主食: 白米、おかゆ、素うどん(具なし)、食パン(耳なし)、ロールパン、ソーメン |
❌ 避けていただきたいもの(繊維、種、脂質が多い)✖野菜・海藻類: 野菜全般(特に根菜類、葉物野菜)、きのこ類、海藻(わかめ、ひじき等)、こんにゃく |
💡重要:水分摂取について
水、お茶、スポーツドリンクなどの透明な水分は飲んでいただいて大丈夫です。準備期間中いつでも多めに摂取してください。(脱水予防、排便促進のため)
検査前日~当日は牛乳・野菜ジュース・果肉の入ったジュースは控えてください。

🌙 【ステップ3】検査前日夜の過ごし方 ~食事の調整・下剤の服用~
いよいよ本格的な準備の開始です。
夕食は20時までに
夕食は上記の「食べて良いもの」を20時までに終えてください。
21:00頃 夜の下剤の服用
夜21時頃(就寝前):就寝前(21時ころ)にセンノシド2錠+マグコロールを内服いただきます。センノシドの服用方法は通常の薬と同様です。
マグコロールは150mlの水に溶かして10分程度かけて服用ください。翌朝の排便をスムーズにするための準備薬です。
脱水の予防~就寝
脱水予防のため、水・お茶などを合計500ml以上飲んでください。明日に備えてリラックスして休みましょう。

☀️ 【ステップ4】検査当日の朝
腸の中を完全にきれいにするための重要な時間です。
6:00~7:00頃 起床後
朝食は絶対に食べないでください。
水、お茶などの透明な水分は摂取可能です。(牛乳、コーヒー、ジュースは不可)
常用薬の服用
事前の医師の指示に従ってください。
血圧、心臓、喘息のお薬: 朝6時頃までに、少量の水で必ず服用してください。
糖尿病のお薬・インスリン注射: 事前の医師の指示に従ってください。(食事を抜くため低血糖になりやすいです)
7:00時頃~洗腸剤(サルプレップorモビプレップ)の服用開始
指定された時間(通常は午前中)から、洗腸剤を飲み始めます。
【当日朝7:00開始】サルプレップ服用ガイド
腸をきれいにするための最も重要なステップです。 「サルプレップ1本(480ml)」と「水(合計約1リットル)」を、交互にゆっくりと時間をかけて飲み進めます。
✅服用の基本ルール
◎目標:約2時間かけて全量を飲み切る
◎ゆっくり飲む: コップ1杯を約10分かけて飲むペースを守ってください。一気飲みは吐き気の原因になります。
◎中断しない: 途中で便が透明になっても、腸の奥をきれいにするため、必ず最後の1滴まで全量を飲み切ってください。
◎体を動かす: 服用の合間に部屋の中を歩いたり、お腹を時計回りにマッサージすると、排便が促され効果的です。
🕒 服用タイムスケジュール(全4セット)
1セット(約30分)のサイクルを4回繰り返します。
⏰【1セット目】 7:00 ~ 7:30
7:00~7:10頃 【サルプレップ】
サルプレップ (120ml) をコップに注ぎ、約10分かけて飲む
7:10~7:20頃 【水】
水 (120ml) を約10分かけて飲む
7:20~7:30頃 【水】
水 (120ml) を約10分かけて飲む
※上記時間は目安であり、トイレ等に徐々に遅れても問題ありません。
⏰【2セット目】 7:30 ~ 8:00 ①~③を繰り返す。
⏰【3セット目】 8:00 ~ 8:30 ①~③を繰り返す。
⏰【4セット目(最終)】 8:30 ~ 9:00頃 ①~③を繰り返す。
🎉 お疲れ様でした。これで服用完了です!
【服用中の注意点】
◎寒気、吐き気、強い腹痛を感じた場合は、一旦飲むのを中断し、少し休んでください。
◎症状が落ち着かない場合は、無理をせず当院へご連絡ください。
◎排便は通常、飲み始めてから1時間前後で始まります。


💡 こんな時は?
Q:トイレに行きたくなったら
A: 飲むのを一時中断して、いつでもトイレに行ってください。落ち着いたら再開しましょう。
Q:強い吐き気や腹痛を感じたら
A:無理せず服用を一時中断し、少し休んで様子を見てください。症状が治まらない場合はクリニックへご連絡ください。
Q:トイレに行くからタイムスケジュールが遅れそう
A:徐々にスケジュールが遅れても大丈夫です。10時頃までには服用を終了してください。
💡サルプレップを乗り切る!飲みやすくする4つのコツ
1. キンキンに冷やす(最も効果的!)
味覚は温度が低いほど鈍感になります。常温だと独特の味や匂いを強く感じてしまうため、服用開始ギリギリまで冷蔵庫でしっかり冷やしておきましょう。これだけで随分と飲みやすさが変わります。 (※ただし、冷たいものを飲むとお腹が痛くなりやすい体質の方は、冷やしすぎにご注意ください)
合間に飲む水を常温か、少し温めるとお腹の冷えを防ぐことができます。
2. ストローを使って、舌の奥へ流し込む
コップに口をつけて飲むと、舌の先端(味蕾が多い部分)に液体が触れてしまい、味を強く感じます。 ストローを使い、舌の上をなるべく通さず、喉の奥の方へ直接流し込むようにして飲むと、味を感じにくくなります。
3. 鼻をつまんで飲む
味覚の多くは嗅覚(匂い)と連動しています。少し行儀が悪いですが、鼻をつまんで息を止めた状態で飲み込み、飲み込んだ後に口で息をすると、風味が鼻に抜けるのを防げます。
4. 「味わわず」に一定のペースで飲む
「まずいなぁ…」と思いながらちびちび飲むと、余計に辛くなります。 1回の量(120ml)を、一定のペースで淡々と飲み進めるのがコツです。
🆖 やってはいけないこと
NG:ジュースやお茶と混ぜる: 検査ができなくなる可能性があります。
NG:氷を入れて薄める: 濃度が変わり、十分な洗浄効果が得られなくなります。
NG:アメやガムを口にする: 原則禁止です。

4. 便の状態チェック
排便を繰り返すと、便が徐々に透明になっていきます。 最終的に「尿のような透明で黄色っぽい液体(カスが全くない状態)」になれば準備完了です。
※途中で便が透明になっても、腸の奥をきれいにするため、必ず最後の1滴まで全量を飲み切ってください。
※指定時間になっても便が透明にならない場合は、来院時に受付でお伝えください。

🏥 ご来院時のチェックリスト
□ 診察券
□マイナ保険証
□ 同意書・問診票(事前にお渡ししている場合)
□ お薬手帳(お持ちの方)
□ 検査着の下に着るTシャツ・インナー(金具のないもの)
□替えの下着(万が一汚れてしまった時のためにあると安心です)
□ピアスやアクセサリーは外して
□鎮静剤をご希望の方は自転車や車でのご来院はお控えください。

📞 お問い合わせ
準備中にご不明な点や、体調の急変(激しい腹痛、嘔吐が止まらない等)があった場合は、ご遠慮なくクリニックまでご連絡ください。
皆様が安心して検査を受けられるよう、スタッフ一同サポートいたします。